平岡秀雄(元東海大学ハンドボール部監督)
指導目的:空中でパスを受け、着地0歩目から逆足第1歩目(今後0-1ステップと表記する)を軸にシュ
ートやジャンプ、フェイント、パスなどが出来ると、ディフェンスが防御準備をする前に攻撃できるので、
攻撃を有利に展開できるからである。また、ディフェンスが間合いを詰めてきた場合にも、2歩目で横に
ディフェンスをかわし、3歩目でゴールに向かって再度攻撃(図1の右)を仕掛けられるようにする。
解説:0-1ステップは単に動作時間を短縮するだけでなく、攻撃展開の様子から次の展開を先取り(予測)
し行動出来るようにする意図を含んでいる。パスを出すプレーヤの状況から、その先の展開を先取り
し、クロスプレーで対応するのかパラレルプレーで対応するのかなどを事前に判断し、
行動出来るよう になることを期待する。
練習1 2人組パス(試合場面で最も多いケースの、横からのパスを0-1ステップで受ける練習)
<狙い> 0-1ステップを行い易いよう、パスのタイミングも学ぶ。
練習2 ボールに合わせて自分のステップを準備出来るようにする。(カットイン時に 0-1 歩ステップでパ ス・フェイント・シュートができるようにするための準備練習)
<狙い> この練習で、ボールレシーブに合わせて、自分のステップを合わせる習慣を身につけさせる。
指導者はこの練習から、どの選手(生徒)が自分のステップをコントロールできるかを察知し、未 熟練な
プレーヤーには個別指導の時間を用意すると良い。
*初めは相手のパス時機をうまく計れず、ジャンプ前にパスを受けたり、ジャンプ後の着地時にパスを受け、
スカイパスは上手くゆきません。しかし、毎日 10 分の練習で、数日後にスカイパスを継続してできる
ようになります。 継続は力なり!
練習3 0-1歩ステップでキャッチからパス(4人1組 間隔は7m 程度 )
<狙い>
パス練習だが、シュート時にフルスイング出来る準備動作を素早く出来るようにするため、クイック動作を意識させる。短い距離のパスならスナップパスでも十分だが、パスを受けるときに相手がシュートの脅威を感じなければ、ディフェンスに乱れが生じず、次にパスを受ける味方がディフェンスによるアタックを容易に仕掛けられることになる。
・パスを受ける前に左又は右に弧を描いて位置を取り、パスレシーブ時に空中でパスを受ける。
・ボールを中心に身体を前に進ませ、右足のつぎに左足を着地させてパスの軸足とします。(右利きの場合)
・軸足(左足)着地と同時にフォワードスイングを開始する。この時、フォロースルーを大きくして投球する。投球後右足が前に出るまで重心を移動させる(遠投力強化の準備)とよい。
<チェック>パス後に素早くバックステップ出来ているかにも着目すること。
練習4 5人又は6人でのパラレルパス
<狙い>フリースローの手前まで、弧を描いて走り込み、 素早く(ディフェンスに攻撃を止められないように)パラレルでパス(図5)出来るようにする。 またサイドとポストがポジションをローテーションするなどの変化も可能である。初めはディフェンスなしで行い、慣れればディフェンスを立たせ、その間にカットインしながら素早く0-1ステップでパスキャッチする。4往復の時間を計り、短縮を図る。
・パスレシーブの瞬間には次のパス動作が終了できている様にすると、より早くパスが出来る。